TPOまとめブログ ☆ テクノポップとシンセサイザー ☆
25年の時を経て今蘇るTPO、2009年~は「日本のアート・オブ・ノイズ」TPOのCD再発祭り! テクノポップマニア必見情報をお送りします
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福永柏連載、「TPOの真実」第3回
◆前哨戦◆

 TPOのメンバー中で一番最初に出会ったのは岩崎工さんだが、今回はその岩崎さんを紹介してくれた同級生のK一郎くんやサークルのことなど。

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 このK一郎くんという人がなかなか多才な変わり者で、当時まだ月刊だったan an(an anはその後1日・15日刊、10日・20日・30日刊、を経て週刊になった)を欠かさず買っていたり、資生堂のフリーペーパー「花椿」のアートディレクションがいいからと、化粧品店で手に入れたりしていた。
 彼はイエスのクリス・スクワイアのゴリッとしたベースが好きで、リッケンバッカーにいつも下ろし立ての弦を張って弾いていた。プログレが、一通りはたしなむべき教養になっていた時代だったように思う。
 僕がRhodesを買ったのを知り、何か一緒にやろうと誘ってくれた。

 それで、いっしょに軽音楽同好会の春休み合宿に行くことになる。場所は「北軽ホリデイ」という宿泊設備のあるリハーサルスタジオで、鬼押し出しにも近く、昔浅間山の噴火で亡くなった人たちのお化けが頻繁に出るとのうわさもあった所だ。
 まだ関越が途中までしかない頃で、からっ風で砂嵐のように舞い上がる土ぼこりの中をバス2台に分乗して行った覚えがある。
 1978年の2月の出来事。

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 二人だけで参加しているので、ベースとキーボードにRolandのリズムマシン(たぶんCR7868)という、期せずしてテクノ?な編成になってしまった。
 最終日には発表会があるので、このユニットでも一応何かは仕上げてご披露しなければならない。とにかく1曲は「ソフト&メロウ」なフュージョンぽいオリジナルをでっち上げて、テクノな編成で。あとは寄せ集めメンバーのセッションに混ぜてもらうことになった。
 今も社会人バンドとして活動なさっているらしいCity Voyageの人達と荒井由実の「中央フリーウエイ」「雨のステーション」や、ガラッとジャンルが変わってブライアン・フェリーの「Let's Stick Together」なんかをやった覚えがある。
 16のチャカポカした軽快なギターのカッティングに乗っかるのは理屈抜きに気持が良かった。

*CR78については安西氏のサイトをご覧ください。 
http://synth.fool.jp/os_vsm_5/cn78/cn69/cn89/pg975.html

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 当時上智の軽音は成蹊や国学院や青山学院と交流があって、国学院からは鷺巣詩郎氏がNOVAという混成部隊を率いて参加していた。
 鷺巣さんは薄紫のテレッとした女物のカーディガンなんか羽織っていて、華僑の金持ちみたいなオーラがあった。聞いた話なので真偽のほどはわからないが、「北軽ほりでい」の風呂は女湯にしかシャワーがなくて、彼は長い髪を洗うのに女湯のシャワーを使わせろと駄々をこねていたという。
 自分にはそういうところで要求を通そうとする発想は無かったから新鮮で妙に感心した覚えがある。

 しかし、あの時のNOVAの演奏には本当に度肝を抜かれた。正確な編成は覚えていないけれど、数本のブラスをフィーチャーし、ドラム×2、パーカッション、ベース、ギター×2、キーボード、それにコーラスもいたかな?。
 発表会も半ばで、そろそろ完全な宴会モードになりつつあるみんなの前に、いきなりクインシーやハービー・メイソンばりの斬新でゴージャスなサウンドが飛び出してきた。鷺巣さんはソプラノ・サックスを吹いていたように思う。もうちょっと聞いていたいという曲ばかりだった。
 どこか遠い所にいるプロがレコードの中でやっていることで、自分とは接点が無いように思っていた出来事が目の前で起きていた。
 同年代で、こういうすごいことが出来る人達が実在するんだと、興奮し感動した。

(鷺巣さんには、ずっと後の1989年に、筒美京平先生プロデュースの田中律子さんのアルバムに僕が書かせていただいた「虹のMagician」という曲のアレンジをしていただいたことがある。)
 その後、Something Specialと名乗って高田馬場のBIG BOXで密度の濃いフュージョン(一方に、ひたすら密度が薄く形骸化した後期フュージョンがあるわけです)を演奏していたグループがNOVAから発展したプロジェクトだったと思う。
 
 とにかく、70年代後半、フュージョンと命名された音楽は全盛期を迎えつつあった。
 そして当時の僕にとって「電化マイルス~マイルス・チルドレンが始めた初期のフュージョン」は、娯楽というよりは御修行で、居ずまいを正して聴くべきものだった。(実際、正座して聴いてましたから。)

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・・・と、いった機運の中、いよいよ岩崎さんや安西くんに出会うことになるが、今日はこの辺でお開き。また次回お付き合いください。

RIMG3895.jpg

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「TPO1」情報まとめはこちら
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